誰にでも起こりうる「拒食症」と「過食症」
最終更新:2021.01.14
「やせたい」女性だけでなく、男性も抱く願望です。それ自体は悪いことばかりではありません。過度に太っていれば、成人病などのリスクも高まります。しかし、「やせたい」ための過度なダイエットは身体だけではなく、心までも蝕んでいきます。
「やせたい」願望から始まる「拒食症」と「過食症」。これらは思考や行動がおかしくなってしまった状態で、身体にまで影響を与えてしまいます。今日は、摂食障害である「拒食症」と「過食症」についてです。
拒食症って?過食症って?
◆拒食症・・・ものを食べない、食べられない
◆過食症・・・ものを食べ過ぎてしまう
特徴
拒食症も過食症も、思考などの認知の歪みが特徴的な食事に関する障害です。
①思考
やせ願望。肥満への恐怖。ボディイメージの歪み(自分に対してのみ。他人への評価は正常)
②食行動
食欲↑↓。偏食。自己誘発性嘔吐(指を突っ込む)。チューイング
※チューイング:食べものを口に入れてくりかえし噛み、飲み込まずに吐き出すという行動
③気分障害
・拒食症:高揚、達成感
・過食症:疲労感UP→抑うつ的
④身体症状
・拒食症:徐脈、低体温、便秘、疲労骨折、無月経(DSM5では削除)
・過食症:逆流性食道炎、胃拡大、歯が溶ける
どんなふうに発症するの?
◆拒食症
①ダイエット型
例えば、ダイエットをするときに、「完璧にやせなくちゃ」「やせないといけない」と性格的に強く考えてしまい、“正常な”思考からそれてしまうことがあると思います。ダイエットを始めて、ある程度「やせ願望」が充足していくと、今度は肥満に対する恐怖が芽生えます。その恐怖をなくすために嘔吐を繰り返してしまうケースがあげられます。
ダイエット+性格(完璧主義、脅迫的)
↓
やせ願望充足
↓
肥満恐怖
↓
拒食症
②ストレス型
これは、ダイエット型とは導入の部分が違います。何らかのストレスでやせてしまった。食欲もない。食べないのですから当然やせていきます。やせていくことに喜びを感じてしまい、「やせ願望」が充足していきます。さらに食べなくなっていきます。
ストレス
↓
食欲低下
↓
やせ願望充足
↓
拒食症
◆過食症
①ダイエット型
今度は逆に、一度ダイエットが成功して体重が落ちた場合です。何回ダイエットを行っても成功します。そうすると「食べ過ぎたらダイエットすればいいや」「ダイエットをすればやせられるんだし」と考えるようになります。日常的に食べ過ぎてしまい、たくさん食べること自体が習慣化していきます。
ダイエットがうまくいく
↓
繰り返す
↓「食べ過ぎたらダイエットすればいいや」
食べ過ぎる
↓
過食症
②ストレス型
ストレスを解消するために「食べる」行為に走るケースです。ストレスが完全になくなることはそうはありません。ストレスがかかったら食べる。食べ過ぎて吐いてしまう。しかし、また食べる。その繰り返しが習慣化されていきます。
ストレス
↓
無茶食い
↓
嘔吐
↓
過食症
まとめ
今回は「拒食症」と「過食症」について説明しました。
拒食症や過食症は誰にでも起こりうるものです。 自分だけではどうしようもないときには、誰かに助けを求めてよいのです。